製本界 令和6年1月号

表紙の解説

『実り』『発展』『成長』製本の未来は明るく永遠に続く事を表現


目次
【特集】
・各界団体長年頭のご挨拶
・第74回 広報委員会が行く report & interview
  大量・多頁・分厚い「中綴じ製本」を極める100年企業
   株式会社尾野製本所
・令和5年度 商業印刷製本部会
  4年ぶりに全体会議を開催
・東京製本二世連合会 三役と話す会開催
・特別寄稿 汗影の像
・産業展 各地区で開催

【連載】
・今月の話題 年頭のご挨拶 東京都製本工業組合 理事長 鈴木 博
・弁護士活用術vol62
  ~派遣会社が突然の自己破産 レターパック
   「解雇通知」に怒り“雲隠れ”社長はどこに~
・11月定例理事会
・委員会の現場より
・健保問題を考える
  将来世代が希望を持てる制度改革を!
   健康保険組合全国大会を開催
・支部だより
・二世会だより

■情報のページ
○令和5 年度「現代の名工」に渡邊博之氏
○労働条件明示のルールが改正されます
○加入脱退変更等一覧

【編集後記】

【名刺広告】

【広告掲載社一覧】

今月の話題

年頭のご挨拶

東京都製本工業組合 理事長 鈴木 博

  令和6年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。日頃より皆様には、組合運営にご理解とご協力をいただきまして御礼申し上げます。昨年の国際情勢は、ロシア・ウクライナ戦争に続き、ガザ地区でのイスラエルとハマスの戦闘激化という複数の大きな戦争が発生してしまい、不確実性が極めて高まり、多方面に影響を与えてしまっております。国内経済は、大手上場企業の業績において、値上げによる収益改善が進むことで軒並み最高益を更新しております。一方で中小製造業は、まだまだ価格転嫁が充分に追いついておらず、原材料価格の高騰に加え人件費の上昇圧力が高まっており、非常に難しい状況が継続しています。
 岸田政権は、支持率が過去最低水準で低迷している一方で、政策を矢継ぎ早に実行に移しております。社会経済政策の本丸と言われる賃金労務費の上昇を基準とした価格転嫁指針が新たに公表されました。昨夏の専門委員会でも、公正取引委員会の方が強く仰っていた内容であり、我々業界も更に一段の継続的な価格転嫁の実現が必要であると考えております。ぜひこの後押しの流れに乗り前進していきたいところと考えます。組合運営では、昨年はコロナ禍も沈静化したタイミングで各支部の例会へお伺いして、組合の現状をお話しするとともに、組合と業界を次の世代へ繋ぐために現在取り組みを行なっている、3点の改革について説明させていただきました。組合の将来の為に必要な事と概ねご理解いただけたものと感じております。主な内容は次の3点になります。
 1点目は、今年5月には本部役員の改選となりますが、役員数の削減と組織変更を行います。これは組合の規模と役割を現状に合わせて適正化していくものです。2点目は、認定職業訓練校として行っている製本専門校の普通課程の継続が困難となっているため休校を継続し、短期課程の運営にカリキュラムを集約していきます。3点目は、組合の保有する不動産について、老朽化への対応として健保組合とも連携し、中長期的な資産保全の観点で取り組んでいきます。
 組合員が減少する中で、現状を踏まえ将来に繋ぐため、適正な規模と役割に立って組合運営を行なって行くために、組合執行部として厳しい決断ですがご理解頂きたいと思います。私もこの5月から3期5年目に入りますが、コロナ禍が明けることで、当初から目指していた次世代へ組合を繋ぐための施策がようやく本格的に前に進められると改めて強く感じております。様々な課題を将来に積み残すことなく、我々の世代で解決できることを着実に実行することで、先輩方から引き繋いだ組合と業界を将来に渡って残すために前に進んで参ります。  皆様の声を傾聴し、皆様とともに邁進いたしますので、より一層のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。