製本界 平成28年7月号

表紙の解説

戦前の製本工場   共同製本

「針金綴じ」

目次

特 集

・第33回 広報委員会が行く report & interview
 協業50周年を目指して、若い世代にバトンタッチ  東京都緑友印刷製本協業組合
・平成28年度全日本製本工業組合連合会通常総会
・全製工連 全国大会(東京大会)情報

 

連載

・今月の話題「私の使命、今思うこと」  新宿支部長 井上 正
・6月代表役員会7月定例理事会報告
・弁護士活用術vol.19 〜債権(売掛金等)回収8 〜 民事保全4
・健保問題を考える 画期的な治療効果の新薬が登場  超高額化で医療費財源への懸念も
・二世会だより
・東京製本高等技術専門校専門校レポート
・支部だより

 

情報のページ
○平成28年度書籍・雑誌部会総会
○平成28年度商業印刷製本専門委員会
○第4回プロダクションEXPO
○モトヤコラボレーションフェア
○デジタル印刷パネルディスカッション
○書籍紹介
○事業承継セミナー
○SAPPS講習会
○組合事務局夏期休暇

 

 

 

「私の使命、今思うこと」  

新宿支部長 井上 正

 

 

 

 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。 奢れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂には滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ


いま紙媒体の価値が棄損しつつあります。私たち製本業界ではどのようにすればその棄損しつつある価値を再び創造し獲得することができるかを再考しなければなりません。  
製本専業者の存在価値・存在意義は右図に記した4つのカテゴリーの融合によって創造獲得されています。すなわち

・製本機械技術と製本手加工技術の融合
・製本技術知識と製本機械技術知識の融合
・製本技術知識と製本資材素材知識の融合

 

 その技術や知識は各企業において独自に築かれたものであり、いいかえるなら経験が価値をもたらしていると言ってよいかと思います。それぞれの製本会社は、経験から得られる価値を機械へと転化し、生産効率の向上という形で画一化した製品づくり、モノづくりに邁進してきました。しかし、時代の流れは紙媒体にとって逆風が吹き荒れ、際限のない単価下落、短納期、過剰ともいえる品質要求などなど、製本業界を取り巻く環境は年々厳しくなってきています。

 

 図のように付加価値は一企業の生産活動によって作り上げられる価値のことです。それが売上でありその企業が作り上げた付加価値です。またこの価値は機能的な価値と意味的な価値に分けられます。

 機能的価値とは形式知として顧客が客観的に認知する価値であり、定量的価値、数値化できる価値のことです。製本会社で言うなら機械設備や社員数、生産量や売り上げ規模といったものです。一方、意味的価値とは暗黙知として顧客が主観的に認知する価値であり、定性的価値、経験価値、感性価値、情緒的価値、こだわり価値といった各人に委ねられた価値で人によって意味を持ったり持たなかったりする価値のことです。製本会社にとっての意味的価値とは、安心・安全、すり合わせ型(インテグラル型)、顧客密着型(カスタマイズ・ソリューション)、特殊加工品(極大製本・極小製本・複合ジャンル組合せ型)、地域を超えたネットワークの活用といったものであると考えます。
 本年度、私に課せられた目標はこれらすべての価値の創造をお手伝いすることであり、価値獲得を組合員、支部員に提供することだと認識しています。
 GP認証やSAPPS、あるいは製本のひきだしやECサイトである製本産直市場等といった組合での施策を有効にご利用いただき、どうか会社や社員そして何よりそれを支えてくれている家族を、今日より明日、来月より来年、必ずより良い生活が出来るようにしていただくことを祈願いたします。