製本界 平成29年7月号

表紙の解説

梶田製本梶@  (新宿区四谷坂町昭和初期)


 

目次

特 集

・第39回 広報委員会が行く report & interview
  江東区に根づく“助けあいのものづくり”を親子三代で支える  有限会社 浜野紙工.
・第1回全日本製本青年会全国大会京都大会  ど真中で勝ち残ろう

・ 補助金申請におけるポイント

 

連載

・今月の話題   書籍・雑誌部会長 金子 誉
・6 月代表役員会・ 7 月定例理事会報告 .
・健保問題を考える
・専門校レポート
・二世会だより
・弁護士活用術vol.26
・支部だより

 

情報のページ
○技能検定合格証授与式
○書籍・雑誌部会総会
○経営・環境委員会セミナー
○江東支部断裁機安全特別講習
○手帳情報交換会
○商印専門委員会
○ ISOT
○SAPPS講習会
○組合員名簿変更
○組合事務局夏期休暇

 

 

 

「激動の出版業界の中で」  

 書籍・雑誌部会長 金子 誉

 

 私なりの「書籍・雑誌部会像」を模索しているうちに3年あまりの時間が経ってしまいましたが、この間出版業界は過去になく劇的に変化しました。

出版市場は報道の通り1996年をピークに減少を続けており、紙媒体は昨年ついに販売金額で1.3兆を割込みました(ちなみに電子出版は前年比27%増の1909億円)。 

そして昨年は41年ぶりに書籍の販売金額がコミックスを含む雑誌のそれを上回り、減り加減ではあるもののそこそこ堅調な書籍に対して広告メディアとしての雑誌の後退を強烈に印象づけました。

 

 こうした状況下、会員各社が非常に厳しい経営環境に置かれていることは言うまでもありません。では今後それをどう打開していくのか、どう進んでいくべきなのか・・・個社で将来の進路を考えるヒントやきっかけを提供させていただくことくらいしか部会にはできませんが、私なりに部会を通じて様々な人脈を広げていくことも含め強く意識して参ったつもりです。

 

 具体的には年に数回という限られた機会に最新の業界動向を肌で感じていただけるよう、各分野「最前線の当事者」にお招きしお話を伺う機会を持つことを第一に考えてきました。

取次会社の輸送管理部長、出版シンクタンクの主任研究員、トラック協会の出版部会長、大手出版社制作局発注責任者・・・全国の専門委員会の場も合わせその理念は貫いて参ったつもりです。

また昨秋には大手出版社の仲介で、組合で初めて百貨店や総合文具店のバイヤーに製本会館までお越しいただき「製本・加工プレゼン会」を開催しご好評をいただきました。これは、我々が自社製品でも勝負していかなければ生き残れないのではないか、という強い危機感の現れでもありました。

 

 私たちは得意先出版社との長年の絆を大切にして商売を続けてきました。しかし前述のような市場の収縮により発注元も我々も次第に体力が衰えてきており、なかなか前に一歩を踏み出しにくい状況となっているのが現実です。

それに加えて取次会社やトラック業界を中心とした出版流通システムの様々な課題の顕在化や人材人員難、設備更新負担などが同時多発的に我々出版製本を担うものの肩に重くのしかかってきています。

 

先日部会総会で開催した講演会の最後に「それでもあえて我々専業製本会社に期待することは何か?」という質問が出ました。それに対する某大手出版社制作責任者の答えは「大手印刷会社の営業担当者では到底真似のできない究極の専門家であり続けること、そして良き相談相手で居ていただきたい」。やはり我々は高度な専門知識をもったハウスファクトリーであり続けなければならないのです。今後も会員の皆さまと共にこの混沌とした出版・印刷業界で生き抜いて行く知恵と具体策を模索して参りたいと思います。