新時代製本業の5つの変革ストーリー

変革タイプ
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【1. 技術深耕型ストーリー】 深める技術分野(ニッチ)を選択し、No.1を確立する。
 基本的に、基幹業務である"製本加工業務"の何かの分野で自社ならではの強みは、5つのストーリーすべてに不可欠なのだが、ここでは特に"技術・技能の独自的な強み"を活かした方向を示す。つまり何らかの"ニッチ"を選択し、その領域で突きぬけることで、多様な展開を目指すものだ。ニッチとは、単なる隙間ではなく、何らかの基準を持って特化し専門化する領域のことで、ニッチを間違わなければ、その領域で同業他社を凌駕できる可能性が出てくる。当該分野においては、第一人者としての認知が高まり、受注が集中することで、さらに技術は高まり、コストは下がり、プライスは一定以上の確保が可能になることで、収益は上がる。
【2.上流領域拡大型ストーリー】 選択した分野(ニッチ)で可能な限りの総合的な対応。
 前・ビジョンの変革モデルで提案した「川上ワンストップ型モデル」のより高度化を目指す。
製本の上流に事業・サービス領域を拡大していくもので、印刷/DTP/デザイン/企画/マーケティングなど、領域が広くなるため選択が重要となる。やはり自社の強みと、市場とする地域や業界のニーズとの突き合わせがポイントとなる。
【3.下流領域拡大型ストーリー】 選択した分野(ニッチ)で可能な限りの総合的な対応。
 前・ビジョンの変革モデルで提案した「川下ワンストップ型モデル」のより高度化を目指す。
製本完成後の下流に事業・サービス領域を拡大していくもので、在庫管理、仕分け、セット、発送、データ管理、顧客サポート、効果測定などと、上流領域拡大型と同様、領域が拡がるため選択が重要となる。やはり自社の強みと、市場とする地域や業界のニーズとの突き合わせがポイントとなる。多くの印刷物は、いずれにしても製本加工が終了した後に、誰かが何らかの仕事をして、最終的にはエンドユーザーに届けられ、使われて処分されるというライフサイクルは同様と考えられる。
【4.商品開発・販売型ストーリー】 価格決定権の魅力と在庫を背負うリスクの両立。
 製本加工業務を、顧客から請け負う「受注型ビジネス」だけではなく、自らもリスクを負い印刷、加工する商品を開発・生産し、自前チャネルや他チャネルで販売する「見込み型ビジネス」である。キャラクターグッズ、手帳・ノート、トランプ、フリーペーパー、出版など、多様な商品に可能性がある。
【5.製本コーディネート型ストーリー】 顧客のニーズと製本会社の技術を受注につなぐ商社。
 すでに日常的に製本各社の中には、自社のネットワークを活用して、上手にコーディネートし、顧客を助け、同業の収益につなげている会社が見受けられる。この方向性は、多くの製本会社が何気なく好意でおこなっていることを、ビジネスとして確立させることを目指すものである。