理事長2期目を迎えて

 この度、5月24日の総代会及び理事会の決議により、新年度から2期目となる理事長の任を仰せつかりました。前期はコロナ禍に見舞われ、様々な行事も制限、自粛せざるを得ない中で、その対応に終始追われた2年間でした。これから2年も更に感染症危機が収束に至っていない中、ウクライナ危機と資源価格の高騰によるインフレ圧力が襲ってきており、より困難な状況となると認識しております。  このように事業の外部環境は、より厳しさを増す中ではありますが、新年度からより前向きに様々な問題に取り組んでいくべく、今回の役員改選により組合本部の副理事長として新たに2名に就任いただきました。1名は墨田支部から、広報委員長を担当されていた佐藤和彦氏。もう1名は京橋支部から、支部長会長と専門校検定委員会の副委員長を担当されていた佐立哲彦氏です。佐藤氏には、広報担当副理事長として、もうすぐ800号を迎える機関誌「製本界」の今後とともに、WEBサイトや動画制作を活用しての組合及び業界広報をお願いします。佐立氏には、総務財務委員会の担当として、今後の組合本部組織と支部と連携した形で、支部組織の存続サポートなどより支部長と一体となっての組合活動を活性化していただくべく活躍を期待しております。また、専門校講師や技能検定委員の立場からも人材の育成や専門校の存続方針について重要な役割を担っていただきます。  組合で取り組むべき様々な課題がある中で、いま最も重要なことは、製本価格の問題と認識しています。申し上げたい重要な点は二つ、まずは皆さまの製造原価が適正適切に算出されており事業が存続できる取引価格になっている事を精査していただきたい。その上で、今こそが取引先と製本価格について話をできる機会機運であります。組合で発行しているお願い文書も活用し、場合によっては自社の製本原価も説明して存続可能な価格に理解を得る最大の契機と考えています。取引先にはお前の所もかと言われるかもしれません。しかし次の世代に事業を存続させる為にもいま勇気を出して訴えかけていくしかないのは明らかです。組合としても最重要課題として、関係団体に働きかけて参ります。  最後に、就任時にも申し上げましたが、私の理事長としての最大の使命は、組合と業界が次世代の承継者へ事業存続が可能な環境を整えていくことだと考えております。その為に、皆さまのお力をお借りしたくご協力をお願い申し上げます。

東京都製本工業組合 理事長 鈴木 博