製本界 令和5年1月号
表紙の解説 製本業界の仕事の素晴らしさ・未来へと続く期待感等 |
目次 【特集】 ・各界団体長年頭のご挨拶 ・令和5年製本新春のつどい 1月12日㈭ 東京ドームホテル「天空」で開催 ・第68回 広報委員会が行く report & interview 独自の設計・開発力でPUR 製本量産化を実現 株式会社 川島製本所 ・各地区産業展(京橋支部・新宿支部) ・令和4年度 商業印刷製本部会 支部部会長会議を開催 ・東京製本二世連合会 三役と話す会開催 ・国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展 IGAS2022 【連載】 ・今月の話題 年頭のご挨拶 東京都製本工業組合 理事長 鈴木 博 ・11月定例理事会 ・12月代表役員会 ・委員会の現場より ・弁護士活用術vol.56 ~タクシー初乗り500 円に値上げ~ ・二世会だより ・健保問題を考える 少子高齢社会における制度維持に向け 今年も制度改正の議論を継続 ・東京製本高等技術専門校 専門校レポート ・支部だより 【情報のページ】 ○職長等の安全衛生教育を実施 ○page2023開催のお知らせ ○令和4年度 業務改善助成金(通常コース)のご案内 ○令和4年度「現代の名工」に井上正氏、稲川俊一氏 【編集後記】 【名刺広告】 【広告掲載社一覧】 |
今月の話題
年頭のご挨拶
東京都製本工業組合 理事長鈴木 博
令和5年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
昨年の世界経済は、年前半から新型コロナウィルス変異株オミクロンの猛威による急減速と、ロシアによるウクライナ侵攻が資源エネルギー価格の高騰を引き起す形で、深刻な影響を与えることとなりました。今年も前半は物価上昇など混乱が継続すると思われますが、年後半は効果的な政府支援策等により経済社会活動が正常化に向かうことで、国内景気も持ち直しの動きが出てくることが望まれます。
さて、皆様も日々の事業活動の中で、あらゆるコスト環境の上昇基調が継続するなか、自社の製本単価をどう上げていくか頭を悩ませていると思います。昨年は多くの業界が企業努力の限界を超える状況として声を上げ、取引価格の見直しが容認される動きとなっています。政府も適正取引支援に注力し広報活動を行っており、また経済産業省と日印産連も専門家とともに重点的な課題として「印刷産業の下請け取引ガイドライン」の見直しを検討委員会で図っているところです。
製本業界としては、長年にわたり取引改善の問題に取り組んでいますが、組合でもこの値上げ機運を逃さず着実に身を結ぶことができるよう、事業WGを立ち上げて専門家とともに取り組んでおり、今年は成果として結実すべく施策を実行してまいります。
また、SDGs への認知の拡がりにより、社会的にも持続可能であることが事業の前提とされてきています。われわれも、紙が環境負荷の低いこと、製本事業は昔から古紙リサイクルを通して循環型社会へ貢献していること、プラスチック製品の代替として様々な紙の技術が開発されて活用されている事をもっとアピールすべきと考えています。デジタル逆風であることが多いですが、SDGsは紙と製本業界の技術が持続可能であると見直される契機として、将来に繋げるPR活動として行うべきと思いを強くしております。
最後になりますが、若い世代へいかに製本事業を託し残していくか、世代交代をスムーズに行いバトンタッチしていくべきか。先輩方から引き繋いだ業界を将来に渡って残すために、皆様の声を傾聴し、皆様とともに邁進いたしますので、より一層のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。結びに、本年が皆様にとって実り多き飛躍の年となりますよう、心から祈念しまして年頭のご挨拶とさせていただきます。