製本産業ビジョン

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新生・製本産業ビジョンと中期振興策変革の時代を突きぬける製本のカタチ!製本産業ビジョン

“自社ならではの製本価値づくり”に向けて
どう絞り込むのか、どう創りだすのか

製本産業ビジョン「ニッチ+ワンストップで突きぬける」

私たち製本業をとりまく世界は一変しました。
人口減少や超高齢社会など、これまでにない社会・経済、市場の 構造変化や、デジタルネットワーク社会の本格到来が、製本業に生き残りをかけた変革を迫っています。

変革のキーワードは、「ニッチ+ワンストップ」。
まず専門領域を絞り込み(ニッチ)、 そのうえで全面対応(ワンストップ)していくこと。それが、私たち製本業の持続可能な成長の方向性であり基本戦略です。

あらゆる印刷メディアの価値と魅力を高め、人の五感にやさしく語りかける

製本加工の感性的価値は、製本人の存在価値であり、どんなに時代が変わっても揺らぐものではありません。
つねに時代にふさわしい優れた製本加工技術と関連技術・サービスの提供を通じて、顧客と社会、そして人びとに貢献し、持続可能な成長と発展を目指します。

製本業が取り組むべき
6つの課題

  • 顧客業界へのアピール

    製本の顧客は基本的には、印刷業と出版業しかいない。
    だからこそ、印刷、出版はもとより、製版、デザイン、図書 設計家に伝え続けて行かなくてはならない。

  • 社会へのアピール

    製本業は、印刷業や製版業と違い、昔も今もそしてこれからも 印刷物の製本加工がコア事業、だからこそ”人間的な味わい あふれる媒体の価値”を伝える使命がある。

  • 多種多様な技術/製品開発

    コントロールが困難な外部環境の変化に、身を任せて成すが ままにしたくないのであれば、製法開発、技術開発、商品開発 などは、5.の連携も含めて、数多くある。

  • 健全な取引による共存共栄

    “下請けいじめの連鎖”、”素人化する発注者”、”未熟な人間関係 で形成される社会”が進む現代社会において、下請けいじめを 嘆くのではなく、相手から見て襟を正して取引するに値する業者を 目指す。

  • 同業種/異業種の連携

    自社に何らかの強みがあり、他社の強みとを組み合わせて、 新たな差別性や優位性を武器に、堂々と商売したいのなら、 業務委託から買収・合併まで、連携の方法はいくらでもある。

  • 人材育成への取り組み

    小規模になるほど、付加価値型へのシフトが必然で、何らかの 差別性による単価の高い商売が望まれ、そのための技術的・ 技能的強みや営業力は、結局人材如何にかかってくる。

新時代製本業の
5つの変革ストーリー

  • 変革タイプ1

    技術深耕型ストーリー
    深める技術分野(ニッチ)を選択し、
    No.1 を確立する。

    基本的に、基幹業務である”製本加工業務”の何かの分野で自社ならではの強みは、5つのストーリーすべてに不可欠なのだが、ここでは特に”技術・技能の独自的な強み”を活かした方向を示す。つまり何らかの”ニッチ”を選択し、その領域で突きぬけることで、多様な展開を目指すものだ。ニッチとは、単なる隙間ではなく、何らかの基準を持って特化し専門化する領域のことで、ニッチを間違わなければ、その領域で同業他社を凌駕できる可能性が出てくる。当該分野においては、第一人者としての認知が高まり、受注が集中することで、さらに技術は高まり、コストは下がり、プライスは一定以上の確保が可能になることで、収益は上がる。

  • 変革タイプ2

    上流領域拡大型ストーリー
    選択した分野(ニッチ)で
    可能な限りの総合的な対応。

    前・ビジョンの変革モデルで提案した「川上ワンストップ型モデル」のより高度化を目指す。
    製本の上流に事業・サービス領域を拡大していくもので、印刷/DTP/デザイン/企画/マーケティングなど、領域が広くなるため選択が重要となる。やはり自社の強みと、市場とする地域や業界のニーズとの突き合わせがポイントとなる。

  • 変革タイプ3

    下流領域拡大型ストーリー
    選択した分野(ニッチ)で
    可能な限りの総合的な対応。

    前・ビジョンの変革モデルで提案した「川下ワンストップ型モデル」のより高度化を目指す。
    製本完成後の下流に事業・サービス領域を拡大していくもので、在庫管理、仕分け、セット、発送、データ管理、顧客サポート、効果測定などと、上流領域拡大型と同様、領域が拡がるため選択が重要となる。やはり自社の強みと、市場とする地域や業界のニーズとの突き合わせがポイントとなる。多くの印刷物は、いずれにしても製本加工が終了した後に、誰かが何らかの仕事をして、最終的にはエンドユーザーに届けられ、使われて処分されるというライフサイクルは同様と考えられる。

  • 変革タイプ4

    商品開発・販売型ストーリー
    価格決定権の魅力と
    在庫を背負うリスクの両立。

    製本加工業務を、顧客から請け負う「受注型ビジネス」だけではなく、自らもリスクを負い印刷、加工する商品を開発・生産し、自前チャネルや他チャネルで販売する「見込み型ビジネス」である。キャラクターグッズ、手帳・ノート、トランプ、フリーペーパー、出版など、多様な商品に可能性がある。

  • 変革タイプ5

    製本コーディネート型ストーリー
    顧客のニーズと
    製本会社の技術を受注につなぐ商社。

    すでに日常的に製本各社の中には、自社のネットワークを活用して、上手にコーディネートし、顧客を助け、同業の収益につなげている会社が見受けられる。この方向性は、多くの製本会社が何気なく好意でおこなっていることを、ビジネスとして確立させることを目指すものである。

製本人に求められる
不可欠な決意

ビジョン実践手順の
進め方

ビジョンを実現し、逞しく生きていくために、
5つの手順に沿ってわが社の変革ストーリーを作ります。

STEP1
自社の現状を知る(強みや売り)

わが社の真の姿を整理します。
8つの視点からわが社の強みと弱みを洗い出します。特に強みに着目しましょう。

STEP2
外部環境の今後を知る(変化の機会と脅威)

わが社の外部環境の現在、そしてこれからの変化を見ます。
変化は、4つの視点で「機会」と「脅威」に分けてチェックします。

STEP3
5年後のわが社の姿を まとめる

1.自社の現状を知る、2.外部環境の今後を知る、を整理し”6つの質問”を参考にしつつ、「5年後のわが社の姿」をまとめます。

STEP4
自社の方向を決定する(5つの変革ストーリー)

3.5年後のわが社の姿を元に、「5つの 変革ストーリー」から1つ選ぶつもりで 社内で討議してください。
最後は社長が決定します。 結果として、「5つの変革ストーリー」を 複数組み合わせることもありますし、 もちろんこれ以外の変革ストーリーもありえます。

STEP5
具体化する

社内で討議し、社長が決めた「わが社の 変革ストーリー」の実現計画を作ります。
実現するために、「何を」、「どうやって」、 「いつまでに」、「誰が」、「何を使って」実行するかをまとめます(計画書づくり)。できあがったら、即実行を開始します。